丹東抗美援朝記念館　　　　　　　　　　　中華人民共和国／丹東 九二式重機関銃 九九式軽機関銃 八九式重擲弾筒 小銃 ●写真は清水明彦氏から● 朝鮮戦争に関する記念館。 1950（昭25）年10月から1953年7月の休戦までに投入された中国人民志願軍は二百数十万から三百万、戦闘による死傷者だけでも36万6千人の被害を出した。戦死者の中には毛沢東の長男、毛岸英も含まれている。 人民中国の歴史認識では、朝鮮戦争は南が先に侵攻したことになっている。 参加した兵士は志願軍という名前だが、れっきとした中国人民解放軍である。 国共内戦に引き続き、中共党軍には日・独・米・ソ・その他のさまざまな武器が混在していた。 国民党軍や日本軍から鹵獲したもの、ロシアから支給されたもの、自分たちで作ったものなどである。 ▲九二式重機関銃　命中精度は抜群で、前線の兵士から絶大な信頼をえていた。 ▲左から三八式歩兵銃／モ式小銃／モシン・ナガン カービン（ソ連） モ式小銃は満洲国軍、支那の皇協軍、満洲の後期結成師団などに装備された。口径は7.92ミリ。 ▲九九式軽機関銃 日本陸軍最後の軽機関銃。口径6.5ミリの九六式軽機関銃とほぼ同型で、口径を7.7ミリにした。それにより九九式小銃と九二式重機関銃の実包も使用できた。 同時代の比較では世界一優秀なレベルの軽機であった。 ▲八九式重擲弾筒 個人兵士が発射筒と弾薬を携行できるという、日本軍独特の兵器。 丹東は北朝鮮との国境にあり、以前は安東といった。 上の写真は鴨緑江、対岸は北朝鮮・新義洲。 手前の橋は朝鮮戦争時、国連軍の攻撃で破壊された。 朝鮮戦争 1950（昭25）年6月、 南部解放を決断した金日成は統一を目指して侵攻を開始した。 そしてすぐさまソウルが陥落、約２ヶ月で韓国の大半を占領した。 アメリカは、6月末に米軍を出動させるとともに、国連に要請、朝鮮半島に国連軍が派遣されることになった。 その圧倒的な兵力と物量作戦によって、共和国人民軍は次々と退却、 戦況は大逆転した。 勢いに乗った 国連軍は38度線を越え、中朝国境に迫る勢いを見せた。 「抗美援朝、保家衛国」 国連軍が国境に近づいたとき中国は直接的な危機感を抱き、10月、100万人の軍隊を派遣し、参戦。 そして今度は国連軍が総退却を強いられ、翌年１月には再びソウルは中・朝連合軍の 支配化におかれた。 3月に再び国連軍がソウルを奪回した後、戦況は一進一退、膠着状態に入った。 人民中国は朝鮮戦争を戦いながら国造りも急がなければならなかった。 朝鮮戦争の発生で、大陸に潜伏していた国民党の特務機関員が破壊活動やテロを活発化させていた。また、地方では再び匪賊が跳梁し始めていた。 1951年、「抗美援朝、土地改革和鎮圧反革命」の三大任務を提起し、国内の結束を煽る一方、地主の処刑、反革命分子の抹殺に努めた。 朝鮮戦争は単に朝鮮の援護ではなく、国内の統一と密接な関係にあったのである。 　H13.11.13 . 　 ［帝国陸海軍現存兵器保有国一覧］リストへ ［依代之譜］よりしろのふ　トップへ