大英帝国戦争博物館　　　　　　　　イギリス／ロンドン Imperial War Museum 零式艦上戦闘機 　 ●写真と情報は渡邉 龍一氏から●   一月に訪ねた時は　まだ休館中で、七月二十一日　1975年以來　三十九年ぶりの訪問です。 前庭の十五吋艦砲は変はってゐませんが、館内はすっかり模様替えでした。 〈平成26年7月リニューアルオープン〉 以前、展示されてゐた 381空　A6M5 は撤去され、代はって　マーシャル諸島 TAROA のジャングルから回収されたと謂う　零戰の残骸が展示されてゐました。 タロアには元山空の零戰隊がゐたようなので、252空のものかも知れません。　なれば　A6M2 21型と謂う事になりますが、孰れにしても　ちょっと寂しい情け無い思いです。 　　　　　▲零式艦上戦闘機　　　詳細不明   　　　　　▲陸海軍軍刀 　H11.10.23     ▼以前の情報▼ 零式艦上戦闘機五二型［A6M5］操縦席部分 ●写真と情報は杉本ミツノリ氏から● パンフレットには、「三菱「A6M Zero-Sen fighter」操縦席部分」と書いてありました。 説明のプレートを読んだのですが、連合軍がテストした零戦の一部と書いてあった気がします。 　 この「英国軍事博物館」は、明るく、家族連れも多く、また、いろいろな兵器等が並べられており、非常に勉強になることが多かったと覚えております。純粋に「博物館」として、もうけられており、そこには、暗さ、悲壮さは無縁の建物でした。しかし、戦争という非日常の行動について考えるには、十二分の展示品が並んでおりました。 胴体の前方、第0番隔壁でその前の部分をきれいに外してある。 上の方の二つの穴が7.7ミリ機銃のもの。 そのしたにあるのは潤滑油タンク。 後方から胴体内部を覗く。 二二型あたりまでは、胴体内部に防錆用の青竹色の塗料が塗られていたが、これはジュラルミン地のまま。 操縦室の内部は完璧にオリジナルだそうだ。 　H11.10.19 . 上の零戦についてメールを頂いた●清水隆博氏から● 　 ホームページに記載されている上記の零式艦上戦闘機の写真を拝見し、感無量です。この機体は父（一年前に７７歳で他界）が最後まで整備を担当していた機体です。私は、上記の博物館のへ２回、手紙を出し、以下の点を確認しております。 １）この機体が旧帝国海軍、第３８１海軍航空隊の所属機であること。 ２）中島飛行機で製造された機体であること。 　　（製造番号からおおよその製造年月日が推定可能） ３）敗戦後、昭和２１年６月までシンガポールで試験飛行を行っていた機体であること。（イギリス空軍によるテスト飛行／操縦者は旧日本海軍パイロット。記録の上では、日本人による零戦の飛行はこれが最後であったと言われています。） ４）テスト飛行終了の後、分解、木箱に梱包されて貨物船に積み込んだ時点では、すべての部品がそろっていたとの事。 ５）１９５０年頃に、英国空軍より当博物館へ移管。（この時点で、残りの部品は失われていた。） ６）残りの部品の行方については、時間が経過し過ぎている為、記録が残っていないとの事。 ７）コスフォード空軍基地内に展示・保管されている百式司令部偵察機、５式戦闘機、紅葉（練習機）と同時に貨物船に乗せられた旧日本軍機の中の一機であること。（現在、展示中の５式戦闘機は 飛行可能な状態にまで復元されていますが、取り付けられているプロペラは、この零戦のものだとも言われています。） 最後に、生前の父から聞いた話ですが、この機体はシンガポールからインド、中東、を経由し英国本土までの飛行する計画であり、父達、整備兵が搭乗する輸送機も手配されていたとの事です。 H12.12.18 ところで、この機体の所属部隊であった３８１海軍航空隊は、ボルネオ島、パリックパパン精油所の防空戦で輝かしい戦歴をもっている航空隊であったにも関わらず、何故か、戦史に公表されることもなく、この事実を記載した書物もほとんど出版されておりません。 ただし、対戦相手だったアメリカ空軍側には正確な記録が残っています。小生は、当時の空爆に参加したＢ−２４の航空士と電子メールのやりとりをしておりますが、彼らのバトル・リポートでは、Ｂ−２４の被害があまりも多いのでバリックパパンの事を「Nest of Hornet」（「熊蜂の巣」）と記してあります。 本件に関する関連事実は他にも沢山ありますが、いづれまた。 H12.12.21   H12.12.22 . 上の写真より以前に撮った写真を頂戴した。 ●写真と情報は渡邉 龍一氏から● 1975年4月８日 倫敦Imperial War Museumにて撮影のvintage寫眞。 　 杉本ミツノリ氏撮影のものと同じ機體ながら 26年前は 7.7 mm機銃が裝着されてゐた。いつの間にか機銃を取り外したのですね。 説明板もrenewされ館内も改裝の痕が見へる。 vintage板にはTHE SECTION OF JAPANESE MITSUBISHI ZERO SEN A6M5 MODEL 52 FIGHTERとのみある。 五二型（A6M5)、五二甲型（A6M5a)は機首に7.7ミリ機銃を2梃装備していた。 五二乙型（A6M5b)は右側銃を三式13ミリ機銃に換装した機体。 五二丙型（A6M5c)になると左側の7.7ミリ機銃は撤去され、両翼の20ミリ機銃の外側にそれぞれ13ミリ機銃が一梃ずつ追加された。   Ｈ.13.2.8 　 　 ［帝国陸海軍現存兵器保有国一覧］リストへ ［依代之譜］よりしろのふ　トップへ