この砲身を受領するにあたり、曲折があった模様。

秋吉村では昭和3年の御大典記念事業として忠魂碑の建設を計画、同年4月に「十五糎砲位のモノ壱門」「その他物品」の無償下附を海軍宛に申請した。
6月に海軍から、四一式十五糎砲または露式十五糎砲のうち一門を選ぶよう通知があり、ただちに村長から四一式十五糎砲一門を至急下附願いたいと回報。
ところが、7月、海軍から四一式十五糎砲は下附充当品がないというハガキでのまさかの通知。すぐに村長から海軍宛に、それまでのやりとりを提示した上で、忠魂碑建設の時機が切迫しているので十二糎砲砲身一門その他の下附なら如何か教示願いたいと懇願。
9月、海軍から村長宛に、呉工廠保管の四十五口径四一式十五糎砲砲身一門の下附を呉鎮長官に訓令したので直接保管庁から受け取るよう通知があり、村長から海軍へ認可への礼状。

この経緯だと四一式十五糎砲砲身が下附されたのかと思いきや、現在残っている砲身は露式十二糎砲砲身である。
このように文書上と実際の受け渡しに齟齬が生じた例は他にもある。

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