大嶺炭田
日清戦争で日本海軍は艦船の燃料に国産の石炭を使用したが、黒煙が凄いので信号や照準の妨げになった。 そこで、日露戦争では英国産の無煙炭を使用、勝因のひとつとなる。 　
高品質の練炭の国内調達を計画していた海軍は大嶺の無煙炭に注目し炭鉱を買収、日露戦争中の明治三十八年に徳山に練炭製造所を設立、大嶺に海軍練炭製造所採炭部を置いた。
大嶺炭田から運搬のための鉄道も開通させた。
明治45年に採炭部は大嶺海軍採炭所支所と改称された。

海軍の練炭は戦闘用の��第一種練炭�≠ﾆ通常使用の��第二種練炭�≠ﾌ二種類に分けられていて、残念ながら大嶺炭は第二種の評価だった。高品質の第一種には平壌産（大韓帝国）の無煙炭が使われた。 　

日露戦後、艦船の燃料は世界的に石炭から重油への転換が始まった。日本でも油燃の実験を進め、大正時代には中小艦は重油専焼缶を導入しているが、主力艦は国産できない石油だけでは不安があり、当初は石炭と重油の混焼缶が搭載されていた。

大正9年、徳山の練炭製造所に精油工場が竣工し、翌年に練炭製造所は海軍燃料廠に改組されメイン業務は精油と備蓄に移り無煙炭の需要は激減、大正12年に大嶺海軍採炭所支所は廃止となり、海軍省の経営は終了した。

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