昭和十二年二月八日付　横須賀鎮守府司令長官宛訓令がある。
横須賀海軍工廠保管の鉄鎖（径十三粍）十三米を、愛知県碧海郡明治村建設の海軍二等航空兵曹都築基久殉職石像玉垣用として同村長に無償下附すべし　但し現品搬出に要する費用は下附を受くる者の負担とす

▲下附願に添付の図

像は昭和十一年二月に両親が建てたもの。

▲一四式三号水偵、事故を報じた新聞（昭和10年2月13日・糸島新聞）

都築基久航空兵曹は昭和5年に17歳で志願して呉海兵団に入団、8年に航空母艦「龍驤」乗組、霞ヶ浦海軍航空隊第20期操縦士練習生、9年に第26期偵察術練習生卒業、呉海軍航空隊勤務となった。
昭和10年2月10日に呉・佐伯海軍航空隊並呉防備隊聯合演習で、一四式三号水偵に偵察員として搭乗、機は博多湾根拠地から10：00に発進したが消息を絶った。
濃霧のため視界狭小、進路を失し12・15に糸島の牧場で木に接触して谷に激突大破、搭乗員3名が殉職された。
都築兵曹は享年21歳。

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