素戔嗚神社は阪神武庫川駅近くにあります。

台座には
「明治廿七八年日清戦役旗艦橋立表上甲板ノCAPSTANロクロナリ昭和元年赤井氏が其艦ヲ拂下ゲ之ヲ本神社ニ献納　紀元二千六百年　赤井常吉」

と刻まれてありました。

▲キャプスタン。錨の鎖を巻き取る機械。

「橋立」は、明治27年に横須賀工廠造船部で竣工。
日清戦争の前、清国の「定遠」「鎮遠」の装甲を貫徹できる装備をもつ軍艦を、日本は持っていなかった。少ない軍費のなかで、何とかしようと大急ぎで建造された「三景艦」のうちの一艦である。

日清戦争、日露戦に参加、大正11年からは横須賀海兵団の練習船。
大正14年に廃艦となり、翌年（昭和元年）に売却され、赤井常吉が落札して解体した。このキャプスタンは、昭和十五 年に奉納するまで当人が保管していたもののよう。

赤井 常吉は尼崎出身の事業家で、軍や保険会社などから沈船を買い取って解体するいう事業を進め、「鎮遠」や「鞍馬」の解体も手がけた。日露戦後、叔父の手伝いで旅順港口閉塞船の「福井丸」引揚を監督したのがきっかけ。
ただし、船舶解体の仕事 は「橋立」が最後で、あとは造船業だけとした。

▲今どきの護衛艦ではこうなっている。

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