この場所は山口歩兵第42聯隊のあったところ。第42聯隊は明治29年に広島師団隷下の部隊として創設され、北清事変・日露戦役・シベリア出兵・支那事変・大東亜戦争に出征、奮戦した。

敗戦後は米・英・豪など占領軍が駐留、現在は陸上自衛隊第17普通科連隊（第13旅団）がある。

防長尚武館
この資料館は第42聯隊当時、武徳殿として使われていた建物。
山口は多数の軍官・政治家を輩出しており、さまざまなものが展示してある。

しかし内部は撮影厳禁。

昭和60年ごろには膨大な数の小火器が展示されていたらしいが、兵器はほんの少ししか置いてなかった。

▲衛兵哨所

山形有朋、桂太郎、児玉源太郎、乃木希典、寺内正毅、田中義一・・・・思いつくだけでも長州の有名な軍人は多い。
西南の役以降、陸軍は長州出身者の独壇場であった。田中義一で長州閥が終わったとすれば、建軍以来60年も帝国陸軍は長州軍閥が牛耳っていたのだった。長州閥と東條親子の因縁は有名である。
今となれば、軍閥の弊害はいくらでも指摘できるが、42聯隊の兵士とはほとんど関係はない。ここの展示の仕方も難しいものがあると思われる。

昭和14年、招魂社制度が整備され、県内一円を崇敬者区域とする招魂社を創建することとなり、昭和16年に社殿が竣工した。
ただちに山口縣護國神社の指定を受け、平成14年現在、多くの国事・事変・戦争で一身を国家に捧げられた山口県出身52122柱の御霊を祀っている。

南側には陸上自衛隊山口駐屯地の訓練場（陸軍時代には桜畠練兵場）がある。

▲国旗掲揚塔
基部にプロペラ、錨、砲弾が配してある。

▲砲弾（ 径：20、長：62センチ）、錨　詳細不明

碑文
わが日本が自存自衛の為興亡を賭して断固敢行した大東亜戦争は利あらずして遂に敗れた　その結果戦勝国はいわゆる戦争裁判を強行し敗戦国家の責任を多く個人に帰した　しかも無実あるいは誤認あるをも顧みざる一方的裁判により死刑に処せられまた自決獄死した山口県関係者はここに誌す三十三烈士に及ぶ　　征戦幾春秋萬死に一生を得て終戦を迎えたるも突如戦争犯罪人の名のもとに囚われ重要死についた諸烈士の哀情を憶う時真に断腸の念にたえず実に戦争最高の犠牲というべきである　これら烈士の遺芳を顕彰して永く後世に伝うるはわれわれの責務であり祖国再建に寄与するゆえんである・・・

戦犯裁判

戦勝国による戦勝国のための軍事裁判で、Ａ級戦犯としては28名が起訴され、7人が処刑された。Ｂ・Ｃ級になるとソ連を含め8ヶ国が、50カ所の地で約5700人を起訴し、916人の人を処刑した。また獄死、自決、不明死をとげた人は253人にのぼる。

（アメリカ以外の裁判は詳細が全く不明で、実情は現在もよく分からない、したがって数字は資料により若干違う。また別に、ソ連の秘密裁判では3000人以上が処刑された。支那では国民党による死刑・獄死は213名、中共党軍による人民裁判では約3500名が処刑された。）

それまで戦争犯罪人を裁く法律が存在したわけではなく、連合国が戦犯を裁くため泥縄式に法令を公布した。ソ連・中共を除く各国の裁判で死刑を宣告された戦犯は９７１名、終身刑494名、有期刑2958名、海の向こうの国民の目にとまらない場所で、まったくの茶番劇といえる裁判で裁かれたのだった。
しかも、ほとんどが冤罪であった。

刑場の露と消えていった人たちの願いはみな同じであった。「我々の無名の死を土台としてその上に立派な、国際的にも認められる日本を築いてくれ」と、痛切な願いを最期に残していった。

日本が戦争責任を雪いでいないと言っている国があるが、全くの言いがかりである。

家族の大黒柱であった1000人を超える五体満足な日本人が、戦後、理不尽な裁判によって命を奪われたのである。これ以上ないほど明快に戦後処理をした日本に対して、戦後処理があいまいとは言語道断であろう。

.

この碑には山口県出身の殉難者33名の名前が刻まれている。
その中に、向井敏明氏の名がある。氏は南京での「百人斬り競走」という新聞記事が証拠とされ南京で処刑された一人である。その新聞記事は東京日日（現在の毎日）新聞の記者が書いた、まったくのホラ話であったが、ことの事実関係よりも日中間の政治問題としてしか語られていないのが現状である。

［帝国陸海軍現存兵器一覧］リストへ